2019年6月26日(水)、「VirtuaREAL.00」のリリース記念イベント東京公演がタワーレコード渋谷店 B1F CUTUP STUDIOで開催された。VirtuaREAL.00は、「最先端VTuber&クリエイター」によるVTuberのオムニバスCDの第一弾として制作され、普段からオリジナル楽曲を発表している歌メインのVTuberから、ゲーム配信や雑談をメインとしたVTuberまで様々なVTuberが参加しているのが特徴的だ。VTuberと音楽の可能性を大きく秘めた「VirtuaREAL.00」のライブレポートをお届けする。
取材・文・編集 / 森山ド・ロ(https://twitter.com/doro0157) 写真 / クロブチ(https://twitter.com/ozizo_sunset)
関連 : VirtuaREAL.00 OSAKA / 2019.6.23 イベントレポート
https://toppamedia.com/report-2019-6-23-virtuareal-00-osaka/
【眠河ゆめな】
トップバッターで登場した「眠河ゆめな」は、「今日のイベントってみんな私のこと写真撮っていいってことになってるじゃん?てことは私もみんなのこと撮っていいってことだよね?」とリアルイベントでは緊張するVTuberが多い中、そんなそぶりを見せない立ち振る舞いでいきなり観客の心を鷲掴みにした。そして今日はやりたいことが2つあると開幕で発表し、その1つである「しりとり」を会場で行った。音楽イベントで「しりとり」を行う演者がかつていただろうか、これもVTuberらしい奇想天外な企画で会場を沸かせていた。そしてもう1つのやりたいことは「にらめっこ」。もうわけがわからない。眠河ゆめな曰く、「しりとり」含め普段配信でやっている内容をユーザー側がどういった表情で参加してくれているのかが気になったそうだ。
そして眠河ゆめな自らが歌詞を書き上げた「You & Me」の披露。「You & MeのYouを自分に置き換えて聞いてくれた?それでドキドキして貰いたい」と歌詞について語ってくれた。楽曲自体はポップで可愛らしいどこか切ない雰囲気が漂うラブソングで、眠河ゆめならしい声との融合がバッチリハマった楽曲で会場を揺らした。1曲だけの披露だったが、「しりとり」や「にらめっこ」と、奇想天外な企画でトップバッターとして印象強いパフォーマンスを見せてくれた。
【エルセとさめのぽき】
2番手に登場したのは、これまでクオリティの高いオリジナル楽曲と絶妙なハーモニーで人々を魅了し続けている「エルセとさめのぽき」だ。開幕「今日は盛り上がって行きましょう!」とデビュー曲である「BLUE」を披露。歌い出し、生歌のすごさに身震いしたのを覚えている。エルセの声量もすごいのだが、ぽき氏とのハーモニーは特に圧巻だった。
「今日はぽきさんの不思議な力を使って、人間さんの世界と繋がれてるみたいなんです!」とさっきの歌の時とは想像もつかないぐらいの緊張具合が一気に伝わってきた。トークの流れでVR00収録曲である「Sprint Sky」の紹介が始まった。ワクワクするようなメロディライン、歌詞もエルセの気持ちとリンクした楽曲になっていると楽曲の素晴らしさを語ってくれた。
「Sprint Sky」は、ノスタルジックさと綺麗なピアノのメロディが特徴的で、エルセの力強い歌とマッチした楽曲だ。実際生で聴いてみると、のびのびと歌う姿を見て彼女の良さを最大限に引き出している楽曲なんだなと改めて実感した。そして最後に披露したのはエルセとさめのぽきの楽曲の中でも人気曲である「UnderWater」を披露。エルセとさめのぽきの生歌が聞けたという事実はこの日の大きな収穫の1つとなった。
【KAN TAKAHIKO】
DJパート1番手として登場したKAN TAKAHIKO氏。VTuberとボカロをメインとした選曲で、花譜やYuNiなどVTuberの人気曲を繋いで会場を沸かせた。昔からクラブシーンで活躍している彼のプレイは、Vクラブシーンにおいての活躍も間違いないだろう。ハートビートの作曲を機に、今後もVTuberへの楽曲やRemix提供の期待が高まる。
【天羽よつは】
「こんよつはー!」VTuber3番手として登場したのは「天羽よつは」。筆者自身かなり前から推させていただいているVTuberで、彼女は普段ゲーム実況など配信をメインとした活動を行なっている。過去、オリジナル曲のリリース経験こそあれど、決して歌メインのVTuberではない彼女のリアルイベント第2回目ということもあって謎に筆者も少し緊張していた。「大阪の時は緊張しすぎて何も言えなかったけど、今回はちゃんと練習してきた!」と開幕緊張しながらも会場に向けて自己紹介を行なった。収録曲である「この場所から」はめちゃくちゃ難しく、収録に10時間ぐらいかかっていると収録の裏話などを教えてくれた。ファンからすれば「そんなに頑張ったんだ!偉い!尊い!」で済んでしまいそうなのだが、1つの楽曲でものすごい努力を演者側は影でこなしている。そう考えると1つ1つのステージそのものが努力の結晶と言っても過言ではないのだ。
「この場所から」は、天羽よつはの甘い声にマッチしたバラードナンバーで会場はゆったりとした甘い空気に包まれた。緊張で少し震えた声も含めて最高のステージだった。そして7月11日で活動1周年を迎えるよつはちゃん、会場全員で「よつはちゃん、おめでとう!」とお祝いするシーンもあった。最後に「知ってても知らなくても優しい心で聴いてください」と「Wishing」を披露し東京での初リアルイベントを無事成し遂げた。
【ワニのヤカ】
続いて登場したのはワニのヤカ氏。開幕オープニングフリースタイルで会場を一気にロックする。まさにクラブイベントらしい始まりでほんわかとした天羽よつはのステージの雰囲気から自分の空気に持っていく技術はさすがとしか言いようがない。音楽家らしく終始楽曲を繋いでいくショーケースで「KEMONO TOKYO – nyankobrq ショートサイズ ヤカリミックス」→「love bite」→「Auto Save」→「Alligator Tears」とトークを時折挟みながら軽快な流れで会場は盛り上がった。
収録曲である「Vanta(feat ワニのヤカ)」の披露に会場からは歓声が沸き起こった。そして最後にsomuniaとのカバー曲「波寄せて」を披露し、ワニのヤカ氏のステージは終了した。圧巻のライブパフォーマンスは終始、フロアをロックしているのがはっきりとわかった。純粋にかっこいい…ぜひワニのヤカ氏の楽曲をチェックしてほしい。VTuberの音楽シーンを語る上では外せないマストな楽曲が多く存在している。
【The LASTTRAK & somunia】
DJパート2番手に「The LASTTRAK」氏が登場した。宇多田ヒカルやMZMなど幅広い選曲で会場を沸かせたと思ったら、途中でsomuniaのショーケースが始まり会場は興奮に包まれた。
収録曲の「夏をまちわびて」からnyankobrq氏とワニのヤカ氏との人気ナンバー「twinkle night」も披露。ファンにはたまらない大ボリュームの6曲を披露してくれた。
somuniaショーケースが終わり、最後はsomunia楽曲のセルフリミックス楽曲を連発。VR00収録曲「夏を待ちわびて」のRemixもここで披露し、DJ×VTuberの世界を作り上げた。
【いるはーと】
VTuber6番手として登場した「いるはーと」は、持ち前の明るさで夏をテーマに絡ませたトークで自身のコラボドリンクの宣伝もしつつ、会場を笑いに包んだ。コラボドリンクが好きすぎて今日3リットル飲んだと豪語しつつ、話題はグッズの紹介へ。いるはーとTシャツを着て外に出て写真をツイッターにあげれば「名誉いるはー党」の称号を与えるなどいるはーとらしいプレゼンでグッズ紹介を行なっていた。
収録曲の「トワイライト・ハート」は、さっきまで流暢にトークをかましていた印象とは正反対の熱量抜群のアップテンポのナンバーで堂々としたステージングでギャップを披露していた。VTuberにはトークもできて歌もしっかり歌える逸材が多いな〜と感心してしまうことが多い。いるはーとも間違いなくその中の1人に部類する。今後も彼女の動向に目が話せないと確信できたステージングだった。
【AZKi】
VTuberのトリを飾ったのはVSingerの中でもトップクラスの勢いを持つAZKiだ。収録曲の「ハートビート」→「ひかりのまち」→「シットデイズ」という流れで、会場にいた開拓者(AZKiのファンの愛称)たちが待ちわびたと言わんばかりに歓声をあげていた。ロックナンバーのBLaCKを主体としたセットリスト、盛り上がらないわけがないのだ。
収録曲である「ハートビート」は、どちらかというとAZKi WHiTEに近いポップチューンで、感情を乗せて歌うAZKiのセクシーさが際立つ楽曲となっている。ステージ最後の楽曲「Fake Fake Fake」が告げられた時、この日1番と言っても過言ではないぐらいの歓声が会場から湧き上がった。安定した歌唱力もそうなのだが、これだけ激しいロックナンバーでもとても丁寧に歌い上げてくれる。常に歌詞が聞き取りやすく、歌手としてのポテンシャルはライブを重ねるたびに成長しているのがはっきりとわかる。「VirtuaREAL.00」記念イベント東京会場でのトリを飾るにふさわしいステージングであっという間にVTuberの出番が幕を閉じた。
【tamu】
最後はVirtuaREAL.00を手がけたUSAGI Production代表のtamu氏がDJとして登場。「VTuberの楽曲は素晴らしい。それを皆さんにこれから体感して欲しい」とKMNZ、樋口楓、朝ノ瑠璃、キズナアイなどVTuberを代表する楽曲はもちろん、自社からVTuberに提供したRemix楽曲を織り交ぜたセットリストをプレイ。最後にはアルバム最後の収録曲Sprint Sky (さめのぽき Remix)を全員で合唱し、幕を閉じた。
平日の夜にも関わらず、終始会場からは最後の最後まで歓声が止まなかった。思い返せば、いずれの出演者からも純粋にVTuberの可能性を強く信じ、広めていきたい気持ちが感じられ、強く心を打たれた。これから第2回、第3回と続くであろう「VirtuaREAL」の世界、素晴らしい楽曲とイベントの展開に期待したい。
VTuberオリジナル楽曲アルバム『VirtuaREAL』第2弾
VTuber1組のみ、オーディション形式にて募集!!
▼応募フォーム
URL : https://www.virtuareal.net/
※応募期限 : 2019年7月16日(火)迄
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